「躾を外注する」

躾はちゃんとしたいけどどうしても子どもが言うことを聞いてくれない……。
まあよくある話でしょう。
これからする話は、「これが最善!」という話ではなく、「まあこんな手段も利用してみては」という程度のお話です。

うちの息子たち、食事の後の食器のお片付けが、何度言ってもやったりやらなかったり。
ええ加減にせえよとテーブルに残った皿を見るたびに思っていたものです。

しかし、ある日通っている道場の先生が、こんな話をしたのですね(うちの息子たちはみんな同じ剣道場に通っています)。

「自分のことは自分でする。こんな当たり前のことができない子は、いくら剣道を練習しても無駄。
 剣道が強くなったって、自分のことも自分でできないようではろくな大人にならない。
 まずは、食べた後のお皿をちゃんと自分で片付ける。これくらいのことから始めてみなさい」

文字に起こしてみると、何のことはないただのお説教です。
しかし、その日を境に、息子たちは毎回必ずお皿を片付けるようになりました。

また、一頃たまに耳にした育児批判で、例えば電車の中などで、「静かにしないとおじちゃんに怒られるよ」などと注意するママの話がありました。
いや、他人のおじちゃんじゃなくてお前が怒れよ、と。

それはまあ正論なのですが、実はこのケースはうちの息子たちとちょっと似た要素があります。
それは、「親の言うことは聞かなくても、他人の言うことは聞くこともある」ということです。

有名な営業トークの中に、「第三者話法」というのがあります。
「私はこう思う」ではなく、「〇〇さんはこう言っていた」というものですね。
特に誉め言葉については非常に有効で、「私の感想」であれば相手は否定することができますが、「〇〇さんが言っていた」というのはそれ自体が事実なので、相手も否定しづらくなる、という効果があります。

躾の話とはちょっと違う気もしますが、人間というのは目の前にいる人よりも、第三者の意見の方に説得力を感じやすい、というのは共通する部分があるなぁと思うのです。

繰り返しますが、「これが最善!」という方法では決してありません。
ただ、躾に困ったときには、親じゃない誰かに言ってもらう、というのも、手段の一つとしては肯定してあげてほしい、そうすれば少しは親のプレッシャーも軽くなるのではないか、と思う次第。
「躾は親の責任」……確かにそうなんですけどね、それだけだとやっぱり苦しいじゃないですか。
誰かに頼ったっていいんですよ。


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